夫婦別姓訴訟第一審判決
5月29日に東京地裁で原告側請求棄却の判決が出ました。
因みに私は、原告のお一人に、この訴訟に参加しないかと打診されたことがあります。私自身は夫婦別姓制度を待っているわけではなかったためお断りしましたが拙著、『「事実婚」のホントのことがわかる本』(すばる舎・電子書籍)で、この訴訟を提起する経緯をインタビューさせていただいております。
今回の裁判は残念な結果になりましたが、控訴するということですので、裁判自体はまだまだ続きます。裁判というのは同じ法律の下でもいつも同じ結果が出るわけではありません。裁判所は世の中の風を読んで判決を出しがちです。
自民党が政権与党に返り咲き、保守化・右傾化と言われている今、というタイミングの悪さがあったことは否めないと思います。ただ、新聞各紙は社説で別姓選択を可能にすべき(議論すべきというところもありましたが)だという論を展開しています。朝日や毎日、東京という全国紙だけではなく、地方紙でも幾つも見られたということに時代の流れを感じました。
信濃毎日新聞−「夫婦別姓 政治の責任で道を開け」
沖縄タイムス−「[夫婦別姓]選択の自由あっていい」
北海道新聞−「夫婦別姓 選択可能な柔軟さ必要」
高知新聞−「【夫婦別姓】あらためて議論深めたい」
中國新聞−「「夫婦別姓」判決 選択制の議論進めよう」
夫婦別姓裁判とは別ですが、「婚外子相続差別裁判」が3件も最高裁で大法廷に回付されました。7月10日には口頭弁論が行われます。今度こそ婚外子差別に対して違憲判決が出る可能性が高まっています。
本来なら、不当な扱いを受けていたり、困っている少数者を救い上げるのが政治の力のはずですが、今の政治には期待できずに裁判に訴えているというのが、両方の裁判に共通することです。
両方の裁判とも応援していきたいと思っています。