言い分
私は離婚に限らず仕事においては、極力対立軸にある両者に挟まれないようにしています。
ほぼ合意になっていて、あとは書面の完成だけという段階でも、基本的には依頼者を通して相手と連絡を取ってもらいます。
しかしどうしても電話せざるをえないこともあり、電話をするとそこで相手の言い分といいますか、愚痴を聞く羽目になりがちです。遠距離電話で30分くらい涙ながらの話を聞かされたこともあります。
対立している両者には、多くの場合それぞれ言い分があります。両者が一緒に依頼に来ることはあまり多くないので、いつもは一方の言い分だけを聞いています。ところが相手の言い分も聞くと、どちらが正しいのか全くわからなくなったりします。私はどちらが正しいか判断する立場に無いので、色々言われてもどうしようもありません。
誰も自分の行為(例えば不倫なんかでも)は肯定したい。そして相手の行為は非難に値する(だって、君がこういうところがいけないからだ、とか)。もう、両者とも主観の塊です。
そして非難合戦になってしまうと、全く収拾がつかなくなります。自分の意見が正しい、だからこそ相手を論破したい。果てしない戦いですね。そしてその戦いの実りは多くありません。
離婚の場合、莫大な財産や慰謝料の争いで合意にならないなら、とっとと裁判所に行った方が良いです。
大したことのない財産や慰謝料の争いなら、争いで身を削るより、多少金額的に損だと思っても早く終わりにした方がどんなに楽か。そして少し下がって、客観的に自分を見られると尚のこと良いのですけれど、それは難しいでしょうね。