行政書士になってからの日々の色々

2004年に東京都小金井市に行政書士事務所を開業し、はてなダイアリーで「女性行政書士でもある武石文子の日々雑感」を書いてきました。2018年11月はてなブログに引越ししてタイトルを変えました。事実婚・離婚・不倫・遺言・相続が得意分野です。日本語教師もやっています。

離婚後に生まれた子の父は

民法という法律は、1898(明治31)年に施行された法律です。その後戦後の大改正他、何度も改正され、今に至っているのですが、中身が変わっていない条文もあるわけです。

その中の一つに、「婚姻の解消から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定する。」というものがあります。つまり、離婚してから300日経たないうちに生まれた子は前の夫の子である、というわけです。昔は、DNA鑑定も無いですし、すごい早産で生まれてしまった子は生きられなかったでしょうから、当時の理屈としては、仕方がない面があります。

しかし、離婚してしまうような夫婦は、強姦でもなければ、最後まで関係を持つわけがないと考えるのが普通でしょうし、大変無理がある条文なのです。

そしてこの条文により困ってしまう人達が現代にはたくさんいます。出生届を出すと、取りあえず前の夫の子ということになってしまうからです。今日のニュースに出ていた例では、「出産予定日が離婚後343日目だったが、早産で292日目に生まれてしまった。」というのがありました。役所の窓口は法律に則って仕事をするだけなので、そういう点を融通してくれはしません。

こういう例に限らず、離婚成立前に他の男性と関係を持つ人は少なくないですから、そういう人達も不本意ながら一旦前夫の子として出生届を出し、その後に家庭裁判所に前夫から「嫡出否認の訴え」をしてもらうか、母親などが「親子関係存否確認の訴え」というのをしなければなりません。

でも、それだと二度と会いたくない前夫に家裁まで出てきてもらわなければならなかったり(来ないこともある)、前夫の子としての記載が戸籍に載るのが絶対嫌だという人がいるのは当然だと思います。それに誰が父親かは、殆どわかっているわけですから、不本意だと思うのもしごく当然のことだと思います。

そこで現在、兵庫県議をされている井戸正枝さんという方は、2003年に出生届を出さないまま真の父に対する認知請求を行い、それが認められてようやく真の父で戸籍を作るという手段を取りました。(経過についてはhttp://homepage2.nifty.com/idotomoki/migoto000.htmに詳しく載っています。)それならそうしたいと思う方もいるかと思いますが、この方法は認知請求が認められるまで子どもの戸籍が無い状態なため、子どもにとっては不利で危ない面もあるのです。日本においては、戸籍が無い=国籍が無いも同然ですし、戸籍が無いと殆どの自治体では住民票を作ってくれない=自治体のサービスが受けられない、などなど困った事態になる可能性もあるからです。

つまりは、この法律を改正すべきなわけなのですよ。父が誰であるかは、相続のことを考えるとすごく重要なことですが、取りあえず、母の申請により父を決め、それに異議がある人が訴えれば良いのではないかと思うのです。だって、どうせ戸籍上の夫婦の子でも実際は父が違う場合が、多々あるわけでしょうから。(もちろん、父はその事実を知らずにですよ・・・。)