日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

気軽に結婚できる社会に


日本人の生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合)は、男性23.6%・女性14.1%(2015年)で、5年前に比べて男女ともおよそ3.5%上昇。特に男性はこの25年位で20%ほどアップしています。危機的状況ではないでしょうか。


しかし、ここで誰にとって危機的かということを考えると、それはどうやら国にとって危機的ということらしいです。未婚により人口が減りますと、国力が弱まるということなのでしょうね。しかし、各個人的には独身の方がいいと思っているのかと言えばそうでもないらしく、「いずれは結婚したい」と考えている18〜34歳の未婚者は、男性85.7%、女性89.3%(出生動向基本調査・2016年)なのだそうです。


そこで、国が取る施策が、お見合いイベントの推進や、企業にも結婚の後押しをさせるというようなことですが、多分きっとそんなことではこの生涯未婚率の上昇は抑えられないと思います。私が思うに、今の人にとって結婚は多分敷居が高いのです。



話は変わって、昨日、フランスの大学院生が「日本の事実婚について知りたい」ということで、インタビューを受けました。日本の家族法などを研究しているそうです。フランスには法律婚事実婚の間にPACS(民事連帯契約や連帯市民契約と訳される)というものがあり、簡単な届出をすれば法的に保護され、相続など不利になりません。しかし、どちらか一方から契約解消を申し立てれば別れられるというもので、元々は同性カップルのためにできた制度です。今は異性カップルが普通に利用するもので、昨日の大学院生もいずれは自分もそうしたいと話していました。

そこで「日本でもPACSみたいなものはできると思いますか?」と聞かれました。最初私は「私が生きている内にはできないと思う」と答えたのですけど(だって、選択的夫婦別氏制度でさえ30年経ってもできないのですもの)、その後「でも、最近同性婚の動きが活発で保守の人でも認める感じがあるので、そちらからの動きで可能性があるかも」と付け足しました。


そう、思うにPACSこそ日本で実現すべき制度ではないでしょうか。それがあれば、結婚(家がどうのとか、うちの嫁・婿扱いされること、配偶者やその親を養う負担など)のハードルが高いと感じている人も少し気楽に結婚に踏み切れると思うのです。尚、「結婚がそんな軽いことではいけない」という人には、「3組に1組は離婚している現実を見て」、と反論させていただきます。


そして、「子どもができたら、そんな簡単に別れられるのはいけない」、と言う方には、これだけ離婚するカップルがいる中、離婚して養育費を払わない人が8割ぐらいいる(支払強制が無い)今の制度の方が問題だと、声を大にしてい言いたいです。結局、別れるカップルは別れるのですから、その後のことをしっかり制度化することの方が大事だと思います。


少子化対策としてもPACSはかなり有用だと思いますけど、もちろん、嫡出子と非嫡出子の区別なんかしているようではだめですけどね。


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