日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

旧姓の通称使用についての東京地裁判決

昨日、一つの判決が出ました。

新聞記事はこちらをご覧ください。


日大三中・三高の女性教員は、こちらの学校に就職してから結婚改姓したけど、普段は生徒からは旧姓で呼ばれているし、旧姓で積み上げてきた仕事の実績もある。しかし、学校は時間割表や学校からのお便りには戸籍姓のみを記載。教員は旧姓使用を求めて提訴。

そして、何と原告敗訴。理由は「職場で戸籍姓の使用を求めることには合理性や必要性があり、旧姓を使えないとしても違法とは言えない」。

確かに、旧姓使用はただの慣習で何の制度でもないので、違法じゃないです。若い人は知らないかもしれませんが、旧姓を職場で使うようになったのって、ここ20年位にじわじわと広まったことで、どちらかと言うと職場の理解あってこその慣習なのです。だって、事務的にはとても面倒なことですから。

女性を活用したいと考える職場ほど、旧姓使用可のところが多いですね。


更に、「職員を特定するために戸籍姓使用を求めることは合理性がある」。

これはもっともだと私も思います。だって、氏名が二つあったら、個人の特定が難しくなるのは確かですから。(ところが国は住民票やマイナンバーカードに旧姓を併記できるようにして、氏名をダブルで使えるようにしようとしている)。


そして最後に「戸籍姓と同じように旧姓を使用することが、社会に根付いているとまでは認められない」。

ええー、去年の12月に最高裁は「姓の通称使用が広まることにより不利益は一定程度は緩和されうる」と言っているのです。(この最高裁の判決は正直全くだめだめです。一定程度緩和なんて何言ってんだっていうところでしょう)

しかし、東京地裁は、社会に根づいていないと言い切った。
いやはや、正直面白い展開です。


旧姓の通称使用なんていう慣習は、取りあえず旧姓を使いたい人が致しかたなくやっていることなのですから、あくまで急場しのぎのものだと思っています。それであちこちで困っている人が出てしまっているのです。今回の判決でも触れていましたが、国家資格ではできないものも多々あります。個人を特定できないのは駄目なんですよね。

本当に国は、ダブルネームにならずに結婚前の姓を使える制度を作ってあげてくださいよ、いい加減。困っている人がたくさんいるのですから。


原告は控訴するそうなので、この裁判はまだ続くようですが、何で日大三中・三高はそんなに戸籍姓にこだわるのですかね。硬直しているイメージを持たれますよね。まあ、私だったら子どもは受けさせないなと思いました。


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