日々の色々-from 2004-

2004年に行政書士事務所を開業し、はてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。日本語教師もやっています。

夫婦同姓の強制は合憲判断


もう判決が出たのが一昨日なので、色々な記事を読まれている方も多いかと思います。
違憲訴訟は難しいのは承知しています。今回は、女性の再婚禁止期間の違憲訴訟と抱き合わせみたいになって、こちらは100日を超える部分は違憲となりました。(100日まではいいというのも、どうかと思います。他の先進国では廃止されていますし)。民法の改正待ちですが、すでに法務省が離婚して100日を超えている場合、婚姻届は受理するように直ちに通達を出したようです。


さて、選択的夫婦別姓。判決要旨を読んで問題だと思った点はまず、「夫婦同姓は我が国の社会に定着してきたもので」というフレーズ。だって、それしか用意されていなければそうなりますよね。それに諸外国だってそうだったけど、改めているわけですし。

これを日本の伝統だと主張する人をよく見かけますが、民法は明治になってからヨーロッパの民法を参考にして作られています。日本は当時西洋に追いつこうと必死でしたから。そして、夫婦同姓を規定しました。つまり、ヨーロッパの真似だったわけですね。


ところが時代はどんどん進み、そのヨーロッパでは女性に不利な法律は改正されていったのに、日本は取り残されたわけです。ヨーロッパに追いついたのに、また相手は先を行ってしまった。日本いつも周回遅れというわけです。情けない。


次の問題フレーズ「姓の通称使用が広まることにより不利益は一定程度は緩和されうる」。もう、これを読んだ時は何言ってんだー、全然わかっていないと思いましたね。旧姓の通称使用は、主に仕事をしている人が行っています。仕事上の不利益を避けるために止むに止まれずという人も少なくありません。

名前が二つある不便というのは、したことがある人ではないとわからないと思います。常にこの場合はどっちの名前だったっけな、と考えなければなりませんし、パスポートに併記できても磁気情報には入っていません。世界を股にかけて仕事をしている人はたくさんいるのですよ。大体、通称使用なんて、どこにも規定がありませんから、OKな会社もだめな会社もあります。国家資格では通称使用できないものもたくさんあります。そんな制度でもないものを法の番人が肯定するなんて。

それに、この裁判の原告の一人は通称使用で大変困ったから仕方なくペーパー離婚をし裁判に訴えたというのに、何、聞いてんだ!っていう話です。


そして、最後の問題フレーズ「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」って。今までの国会での成り行きを知っているでしょ!国会でどうにもならないから、司法にすがったのにまた国会へって。いつまで堂々巡りさせるんですかね。


最後に私の見解ですけど、最近この選択的夫婦別姓制度に反対する論調として「子どもがかわいそう」というのが強いようですが、「かわいそうなことは何もありません」と断言します。私も取材されると必ずこのことを聞かれるのですけど、どうぞうちの成人した息子たちに聞いてくださいと言っています。どんなかわいそうなことがあるのか、こっちが聞きたいくらいです。

今、小学校に行ってみてください。ハーフの子や外国人の子が当たり前のようにいます。国際結婚は基本夫婦別姓です。子どもが親の姓を話題にすることなんて無いですから。生まれた時から親が別姓でしたら、それが本人にとっては当たり前なのです。そして、そういう子が周りにいれば周りの子にとっても当たり前になるのです。何を恐がる必要があるでしょう。


この話になると熱く語ってしまう私ですが、別段私は選択的夫婦別姓制度を待っているわけではありません。婚姻の届出というのは義務ではないのに、どうして皆さん届出をしなくては、思ってしまうのでしょう。みんな婚姻届を出すのが当たり前と刷り込まれているというのはあります。

管理する国家としてはその方が管理しやすいので、配偶者控除相続税の優遇や子どもを嫡出子と非嫡出子に分けたりして、制度に国民が乗るようにしています。民間もその制度に則った方が安心な気がして、法律婚をしていないと、生命保険の受取人になれなかったり、住宅ローンを一緒に組めなかったりしますが、外資が入り、大丈夫な会社も増えました。

配偶者控除も共働きだったら不要ですし、生命保険の受取人は遺言書で変更できます。一番の問題は財産が多い夫婦の相続税です。つまり今は法律婚をするとメリットがありますけれども、メリットが無ければ法律婚をする必要も無く、事実婚の夫婦は増えると思います。


最近は、同姓ならぬ同性結婚が話題になっていますが、フランスではこの同性婚を法的に保護するためにパックスという制度を作り、法律婚をしていなくても不利にならないようにしました。そう、私が待っているのはこの制度です。私が生きている内は難しいですかね。私が「何で女性ばっかり姓を変えないといけないんだろう」と思ったのは、12歳位の時なんですよ。それから何と40年。通称使用とかいう中途半端な慣習が広がった以外は何も変わっていないです。


最後に、最高裁の判決にあたり共同通信にコメントを求められたので、その記事が配信された佐賀新聞のページをご覧いただければと思います。記事中の「願った」は「語った」の間違いでしょうし、子どもにも何の問題は無いという話もしたのですが、それが載らなかったのは残念です。


尚、今回の判決に落胆して法律婚をペーパー離婚しようと思ったり、取り合えず事実婚で結婚生活を始めようと考えている方はご相談いただければと思います。現状、もちろん不利なことはあります。それに備えた書面の作成のお手伝いをさせていただきます。


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