不倫をしている人が考えていること
最近は、家では普通の本を読んでも、外ではスマートフォンで電子書籍を読んでいます。何と言っても荷物が一つ減りますし、読み終わればすぐに次の本も買えますから。読むのは小説の場合、努めて恋愛物にしています。
ということで、家と外とでほぼ同時に二冊の本を読み終えたのですが、それは文庫が『花狂い』(広谷鏡子著・ハルキ文庫)、電子書籍が『ダブル・ファンタジー』(村山由佳著・文藝春秋)。
『花狂い』は、60歳になろうとする主婦が主人公。60前で老人物と言ってよいのか、ただ確かに夫婦関係や老人の性が主要テーマにはなっています。
『ダブル・ファンタジー』は30代の女性が主人公で、過激な性描写で有名ですね。
この二冊とも当たり前のように不倫が出てきます。しかし不倫は主要テーマではありません。
さて、よく配偶者に不倫をされてしまった人が言うことに「不倫相手には反省してもらいたい」というのがあります。それはそうですよね。不倫によって夫婦関係が壊れてしまったりしているわけですから。
しかし、反省というのは多くの場合に期待できません。それはこういう小説で描かれていることがまさしくその通りなのですが、不倫をしている本人にとって、不倫相手の配偶者というのは大抵の場合、自分には関係ない人だからです。
この両方の小説でも不倫相手の妻のことがチラッと描写されていますが、主人公に罪悪感は全くみられません。不倫はあくまで不倫相手とだけの関係であり、相手方の夫婦関係は自分には関係ないことなのです。
それは、想像力の欠如だという考え方もあるとは思います。しかし不倫は恋愛であり、既に理性は失われている状態だと考えるべきです。そして異性の取り合いという面もあります。
不倫が発覚し、その関係を終わりにせざるを得なくなり、更に慰謝料まで払わなければならなくなった時、不倫相手は喪失感や敗北でいっぱいのはずです。
そういう中で反省というのは現実的には難しいと考えておいた方が良いです。過剰に相手に反省を期待してしまうと、期待通りにならずにそのことでも不愉快な思いをすることになってしまうからです。
ともかく恋愛小説というのは、自分とは違う恋愛感覚を知るのに最適です。自分の感覚と他人の感覚は全く別物ですから。
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