婚外子と不倫の関係
婚外子の相続分が婚内子の半分という民法の規定は違憲である、と先月最高裁が決定を出しましたが、それに対するお決まりの反論に「不倫を助長する」というのがあります。婚外子に婚内子と同じ権利を与えることが不倫を助長するのでしょうか??
因みに前にも書きました通り、婚外子=不倫による子、ではありません。それについては今回は触れずに不倫の話に限って書きたいと思います。
この前、当ブログに書かれたコメントに「婚外子差別撤廃によって結婚や出産にしり込みする女性は増えると思います。」というのがあり驚きました。婚外子差別が無くなると、不倫がしやすいから不安?という意味なのでしょうか。
それとも夫が浮気をして子どもを作ってしまった場合、相続分が自分の子どもの半分ならいいけど、自分の子どもと同じなら嫌、ということなのでしょうか。半分だって嫌なはずなので、そんなことはないと思いますが。
夫が浮気をして他に子供を作ることを恐れながら結婚や出産をする人はほとんどいないのではないでしょうか。そんなことが起きるとは微塵にも思っていなかったのにできてしまって驚く、という順序が普通です。
また一方で、不倫をしている人は不倫で子どもができちゃうと婚内子の半分でかわいそうだから不倫をやめようと思うかというと、そんなことも無いはずです。殆どの場合は子どもを作ろうと思っていなかったのにできてしまった!ということのはずです。
まあもちろん、金のある男性と不倫して子どもを作り、財産を子どもに相続させようという企てをする女性が全くいないわけではないと思います。でもそんなのは本当に稀な話です。
普通の人は子どもを作ろうと思って不倫なんかしてはいないのです。
だから不倫でできた子の相続分が婚内子と同じであろうが、差があろうが不倫に対する抑止力にも推進力にもならないのです。
そんなことを考えながら不倫をする人はいないからです。不倫とはそういうものです。子どもの相続分なんかに頭が回る冷静さがあったら不倫なんかしないですから。