離婚の公正証書はなぜ作る必要があるのか

今までも、何度も離婚の際に養育費の支払いや慰謝料等の分割払いがある場合は、絶対に公正証書を作りましょうと書いてきました。公正証書の利点は、第一義には不払いの時に強制執行手続きにすぐに入れること。また、養育費の不払いの場合には裁判所に申し立てれば、制裁金を科せることです。

しかし、実際に作る人は決して多くないと思います。なぜなら面倒だし、お金がかかるから。

そして皆さんよく仰るのが「作らなくても払うと思う。だってとても子供を可愛がっているから」というもの。

現在の親子関係を見て信用しているのです。離婚するのに。

心変わりするのは何も夫婦間だけではありません。今は確かに子供も親に懐き、親は子供を可愛いと思っているかもしれません。しかし、子供は成長すれば反抗期にもなるし、親に会いたいとも思わなくなるのが当たり前ではないでしょうか。

そんな、自分に懐かないばかりか、時には歯向かう子供をいつまでも可愛いと思うかどうかは人それぞれです。

それに、離婚後に再婚してまた別な子供ができればそっちの方が可愛くなったりもするでしょう。また新しい配偶者が送金を嫌がれば、それに従うかもしれません。

人の気持ちは変わります。だから好きあって結婚しても離婚するのです。親子関係は違うと思うのは危険だと思います。

尚、離婚について弁護士に相談される場合は離婚に詳しい方になさってください。弁護士ならみんな詳しいわけではありません。私が行政書士なのに、ビザや許認可に疎いのと同様です。

離婚の実務をしていない方は細かいところまではわかっていないことがあります（最近も間違った内容を聞かされて、離婚相手に自分が不利になる発言をされた方がいました）。不安なら二箇所以上行かれた方が良いと思います。