日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

高齢者の行方不明と家族の絆

都内最高齢男性がミイラ化して自宅で発見というセンセーショナルな事件で、一躍社会問題となった多数の100歳以上の高齢者の行方不明ですけど、何も行方不明は今に始まったことではなく、行方不明のまま放置していたから、みんな書類上高齢者になり、あぶり出されてきたわけです。

で、これをもって家族の絆が弱まったから、というようなことが盛んに言われていますが、それはちょっと違うように思います。

行方不明も色々なケースがあるはずですが、自宅からいなくなったとか、長年音信不通というのは、絆が弱まったからでしょうか。


私は、日々色々な家族の相談を受けていますが、その話の多くに本当にしょうもないな、という人が登場します。これが夫婦であれば、離婚すればよいのですが、なかには諸々の事情により離婚できないこともあります。

しかし、それ以上に親子は縁を切ることができません。親にもしょうもない親は少なくありません。家庭を顧みず、自分勝手で、時には暴力を振るったり、他所に家庭を持ったり、遊びのために借金をしてきたりというような人です。親に恨みを持つ子供も少なからずいるでしょう。

確かにこれが田舎なら、周りの社会的圧力も強く、そんな親でも嫌でも面倒を看る(看ざるを得ない)かもしれません。しかし、都会では圧力が弱いですから、そんな親が出て行ってくれたり、離れて住んでいたら、そのまま放置するでしょう。

つまり、そういう家族は、絆が弱まったのではなく、絆なんて元々無かったのです。だから単純に家族の絆が弱まったなどというのは、安易な決め付けだと思います。また同時に、このことに乗じて、だから夫婦別姓になると家族の絆が弱まるという主張がなされたりしますが、それもおかしな話です。絆は人と人が作るものであり、家族なら絆があるというのも、家族の姓が同じでなければ絆が無くなるというのも短絡的だと思います。

それに現実の行方不明者は高齢者だけではないですから、そのそれぞれがみんな戸籍上年を取り、ある年齢になるとあぶり出されてくるでしょう。これはきっとエンドレスでしょうね。