行政書士になってからの日々の色々

2004年に東京都小金井市に行政書士事務所を開業し、はてなダイアリーで「女性行政書士でもある武石文子の日々雑感」を書いてきました。2018年11月はてなブログに引越ししてタイトルを変えました。事実婚・離婚・不倫・遺言・相続が得意分野です。日本語教師もやっています。

業際問題


「士」がつく仕事は行政書士以外にももちろんたくさんあります。税理士、会計士、司法書士、弁護士、社会保険労務士弁理士etc.この違いはその業界にいないとわからないものです。私なんかも測量士土地家屋調査士の違いとか知りませんし、税理士と会計士の違いも大会社の監査業務以外は知りません。一般の方は特に行政書士司法書士の違いなんかすごくわからないことだと思います。


ところで、前回コメント欄にも書き込みがありましたが、大阪弁護士会がNHKのドラマ「コンカツ・リカツ」で、行政書士役が離婚問題をアドバイスするシーンがあって、それが弁護士法違反だという内容の抗議書をNHKに送ったというニュースがありました。

私はこのドラマは見ていないので、どういうアドバイスか知らないため、その点については何とも言えないのですけど、それが本当に弁護士法違反かどうかが問題ではなく、大阪弁護士会としては行政書士を牽制したい目的から行ったものだと思います(弁護士の仕事を取るなということでしょうか)。

法律を知らない方は、弁護士法違反ならそうなのだろうと思うと思うのですけど、法律というのは、一般の方が思うほど誰が考えてもその通りという書き方がされているわけではないのです。法律は解釈によって説が分かれるのが普通で、その解釈も時代によって変わります。最高裁の大法廷で判決が出る時に、判例変更か、と注目されるのがそれです。そういう曖昧さがある方が運用しやすいというのはあるのですけど、説が対立したままのものもたくさんあるのです。弁護士法や行政書士法にもあります。


話を戻すと、例えば、「離婚協議書の作成」とそれを「作成するための相談業務」は行政書士業務で間違いないのですが、問題は何の相談から行政書士ができない法律相談なのかという線引きなのです。これが業際問題というわけです。

離婚協議書の依頼は協議がまとまった時だけではなく、これから話をまとめるための叩き台として依頼されることもあります。そうなると、当然、こちらはプロとして「こういうことは入れなくてよいのですか?」とか、アドバイスします。それが法律相談だと言われたら、離婚協議書の作成という仕事自体も成り立ちません。線引きは簡単にできるものではないのです。また私は更に離婚の専門家という立場からも相談を仕事として受けています。これには行政書士の業務外のことも含まれます。愚痴や夫婦関係の悩みの話も聞きます。「離婚を一方的に迫られている」と言われれば、「不倫を調べてみたら。」ともちろん言います。

行政書士の中には、そんなグレーな仕事はしなければよいという方もいますが、私は逆にグレーの部分を白にするように業界が働きかけるべきだと思います。


第一、今私がやっているような細かい仕事をやる弁護士がどれほどいるのでしょうか。弁護士は自分に全部を委任してくれる仕事でないと基本的に嫌がります。そして依頼すれば、それは決して少額ではありません。そんなにお金をかけるほどでもない、大して揉めてもいない問題だけど自力で何とかするのは少し難しい人は、救われないことになってしまうのです。そんな時こそ街の法律家(これにも弁護士会のクレームがついた)行政書士へ、と思います。(でも、どの行政書士でも離婚に詳しいわけでは決してありません)