日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

戸籍の続柄

まだ、双子の息子たちが小さかった頃、二人を連れて歩くと見ず知らずの人に必ず聞かれたこと、それは「どっちがお兄ちゃん?」(皆さんも聞いたことあるんじゃないでしょうか。)

私のその時の気持ちはと言うと「また、きたー。」私としては、たまたまお腹の中で下にいた方が10分先に出てきただけであって、「兄」と「弟」と区別してくれるなーという思いが強かったのですが、そんなことを通りすがりの人に力説もできず(今ならできるかも。当時はまだ若かったので)仕方なく、「こっちが一応先に生まれた方ですけど。」なんて、曖昧な言い方でささやかな抵抗をするのですが、それに追い討ちをかけるように

「今は先に生まれた方が、長男なんでしょ?」

と来るわけです。これの意味するところは昔は後から生まれた方がお腹の中で上にいるから、上の子としたことによります。(きんさん・ぎんさんはそうらしいです。)

しかし、うちの子供たちは非嫡出子(法律婚をしていない親から生まれた子)ですから、戸籍上の続柄は二人とも「男」で、長男・二男ではないのです。あー、でもこんな説明がいちいちできないので(今なら間違いなくしますが)、適当にごまかして退散するのが常でした。


この非嫡出子は「子」と表記することに対して、差別であるという意見が強く出され、裁判でも争われ、また当事者たちが法務省に交渉したりとかでどうなったかと言えば、姑息な法務省の考えた結果が非嫡出子でも申し出れば「長男・二男」と表記できることにする、というものでした。何で拘るのでしょう。「長男・二男」の続柄に。続柄は「子」で性別「男」の方が余程わかりやすいし、序列化という差別が無くなるというのに。

一方で長男・二男の方がわかりやすい、とお思いの方が多数おられると思うのですが、実はこの制度は全然わかりやすい制度ではないのです。

最近は離婚・再婚が増えましたがその結果どういうことになるかと言うと、例えば前妻との間の長男が父親の戸籍に入ったままで、父親が再婚をし、男の子が生まれると、その子の続柄はやはり「長男」なのです。続柄は両親を単位としますので、新しい妻との子はまた長男になってしまうのです。同じ戸籍に長男二人。でも、実生活では下の子は二男と表現されるでしょうから、実は親も下の子が戸籍で長男だって知らないことも時々あります。先日も私が戸籍を見て「長男」と書面に書いたら、わざわざ電話があって、「あの子は二男です。」という訂正が。説明したら大変驚いていましたけど。

それ以外にも最近認められるようになった、性転換による戸籍の続柄の訂正は「長男」だと他に長女である姉妹がいても機械的に「長女」になるようです。つまり、同じ親の元に長女が二人。

だからこの意味の無い続柄はやめるべきだと思います。何と言ってもこれは昔の家督相続制度時代の悪しき遺産なのですから。そして、双子に序列をつけてほしくはないですしね。