日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

離婚の決断

私の所に来る女性の離婚の相談は30代が一番多い。20−30代の離婚の理由は、直前の浮気・セックスレス・借金などが多く、私の所に相談に見えた時には皆、大体離婚の意思は固まっている。ネットで情報も収集し、離婚の条件もおおよそ固まっていることが多い。子の親権は自分、養育費は月幾らくらい、慰謝料はこのくらいほしい、とか。そして、ローンの残っている不動産をどうすべきかということが一番の悩みだったりする。


ところがこれが40代後半以降の方になると、事情がかなり違ってくる。前はこの年代の方はあまりいらっしゃらなかった。なぜなら、私の所にいらっしゃる方は皆ネットを見て来る方が殆どであり、この年代の方たちはあまりネットを使いこなせないことが多かったからである。大体が、もう大人になった子どもが探してくれて、来られる、という状態だったのだが、さすがに最近はこの年代でも自分でできる方が増えている。

離婚の理由は長年の色々な積み重ね、昔の浮気であるとか、暴力、子どもの問題(障害・病気・不登校など)に向き合わなかったことであるとか、姑や舅との辛い関係であるとか、夫婦に殆ど会話がないとか、夫の家父長的態度であるとか。直前に何かあったからではない。長い間セックスレスの人も多いが、それはそれで構わなくなっていたりする。そして離婚はしたいと思っているが、具体的な計画を立てているわけではなく、自分はどれぐらいお金を貰えるのか、とか、ローンが終わっている家は欲しいのだが、どうなのだろうか、という全く入り口のところにいる段階のことが多い。相談も最初は殆ど、今までの夫婦関係についての説明というか、愚痴に終始する。(でもこの愚痴が大事なのですけどね)

大抵の場合、こういう人たちは専業主婦だから今まで離婚せずに来たという感じで、老後が見えてくると、この夫と老後を過ごすのは耐えられないと思うようになって離婚を考えるわけであり、実際にはすぐには動けない人が多い。大体何から手をつけてよいのかも見当がついていないのである。そして、今日にでも家を出たいわけではないから、なかなか離婚に向うきっかけもつかめないでいることが多い。

そういう方には離婚の意思の確認をし、具体的な財産分与の考え方、情報の集め方、離婚に向う手順などを説明する。とにかく大事なのは住居とお金であり、どっちに不足があっても辛い生活になってしまうので、安易な離婚は勧められない。

しかし、具体的な話をすることによって離婚への道筋が見えてくるらしく、最初に取り組むべきことを確認して動き始める人も出てくる。そうなると、意外に早く別居に踏み切れたり、財産分与について考えがまとまって、具体的な離婚協議書案の依頼がきたりするのである。


「ここへ来たから、どんどん離婚に向って進めることができました。来ていなかったら今でもまだ悩んでいるだけだったと思う。」と言われると、何だか私が離婚の決断をさせてしまったようにも思えるが、そうではなく、目の前にあった霧が晴れたから自分で進む道が見つけられたのだと思う。

なので、離婚を決めている人だけではなく、離婚をしようか、しまいかという段階の方も一度お越しいただくと、考えがまとまるかもしれないですけど、離婚は相手次第であることもお忘れなくお願いします。