日々の色々-from 2004-

2004年からはてなダイアリーでブログを書いてきました。2018年11月はてなブログに引越し。タイトルも変えました。尚、行政書士は2020年3月末にやめています。

公正証書って何?

昨日、テレビ制作会社から電話があって、「熟年離婚をした人を紹介してもらえないでしょうか。」ってことなのですが、そんなもの紹介できませんですよ。年金分割制度のスタートまであと、半年ちょっとということで、テレビや雑誌では、よく特集が組まれていますから、こんな電話もかかってくるのでしょう。

さて、今まで何度も書いてきました。協議離婚する時は公正証書にしましょう、とか分割払いで示談書なんかを作る時も公正証書にしましょうと。それから件の年金分割にも公正証書は必要ですとか。遺言書も公正証書にした方が良いですとか、書いたこと無いかもしれないけれど任意の後見契約にも必要です。しかし、そもそも公正証書って何?という話は書いていませんでしたね。

公正証書公証役場にいる公証人が作成する公文書です。内容は契約の成立や一定の事実について。公証人って何かと言えば、元検察官やら裁判官で法務大臣に任命されている国家公務員なのですけど、公証役場自体は独立採算制という変わった仕組みです。ですので、公証役場は役所にはありません。どこにあるかと言いますと、全国に300箇所くらいあるので、大きな街にはあります。大体民間のビルの一室です。(公証役場では、公正証書作成以外の業務もありますが、ここでは割愛。)

そして、そこに行って、こういう内容の公正証書作って下さい、と依頼すれば作ってくれます。(勿論、どんな内容でも作ってくれるわけではありません。念のため)でも、その日に出来上がることは滅多にありません。あの書類持ってきてとか、このことについてはどうするか決めてきて、とかということになります。(それが面倒な方は私に依頼してください)それにこう言っては何ですが、公証人にも色々な方がいます。当然、感じが良いところも何だかひどく威張っていて感じの悪いところもあります(今までの仕事が仕事だからでしょうが)。私も初めての所は正直怖いです。そして感じの悪い所には、二度と行かないようにしています。だって、どこで作っても良いのですから。

公正証書を作る価値は、色々ありますがやはり一番大きいのは、「強制執行認諾条項」というのを入れると、契約した内容で相手がお金を支払わない時、裁判などをしなくても給料や不動産の差し押さえなどの強制執行ができることです。これが、例えばただ離婚協議書を作っただけだと、これは私文書ですからそれを元に裁判などをやらなくては、強制執行をすることができないのです。その差は歴然ですね。

公正証書代理人でも作成できる(遺言などはできません)のですが、ここで怖いのが、公正証書の委任状に判を押す時。間違っても契約条件の書かれていない委任状に判を押さないでくださいね。特に、悪徳金融会社からお金を借りる時なんか。公正証書は一度作ってしまうと、簡単に取消しなどできませんから。