双方不幸な不法行為

不倫は何で慰謝料が請求できるかといいますと、それは「不法行為」であるからということになっているからです。不法行為というのは、他人の権利や利益を侵害して、体や財産に損害を与えることで、その損害に対しては賠償しなければならないと法律で決まっています。更に、損害は精神的なものに対しても賠償しなければならない（慰謝料）とされていますので、不倫の場合はこれが当てはめられます。夫婦であることは、法律に守られた権利なのですよね。

不法行為は身近なところでは、交通事故とか最近よくニュースになる医療過誤、あとは殺人や傷害などなど。昨日、民法の先生の話を聞く機会があったのですが、不法行為って加害者と被害者がいて、双方不幸な話なので、自分は専門にしなかったと言っておられました。

確かに、過失であっても加害者は加害者で辛いものがあり、被害者は被害者でいくら賠償してもらっても、お金で癒されるわけではありませんから、双方不幸な状況です。お金払ってすっきり、お金貰ってすっきりとはなりませんよね。

でも、不倫の場合はお金払って、示談書作ってそれで完全に終わりとなることも多いので、お金持ちなら、加害者意識無く、払ってこれですっきりとなる人もいると思います。ある金持ちの友人と話をした時私が「どんなに高くても300万だよ。」と言ったら「なんだ、300万程度なら別に大したことないわな。」という答えが返ってきました。でも、一方では50万の請求でも払えない人もいるわけで、世の中やはり金がある人はやりたい放題できてしまうという気がしてしまいます。

本当なら、加害者の財産によっても賠償金の金額を変えないと、被害者的には納得できないところもあると思いますけど、金額を高額にするのは、なかなか難しいのが現状であり、残念なところでもあります。